東京学芸大学パッケージ型支援プロジェクト東京学芸大学パッケージ型支援プロジェクト

センター長のご挨拶

センター長のご挨拶

CCSS児童・生徒支援連携センター長の朝倉隆司と申します。本センターは、東京学芸大学内に、「附属学校と協働した教員養成系大学による『経済的に困難な家庭状況にある児童・生徒へのパッケージ型支援に関する調査研究プロジェクト』」を実施するために時限付きで創設されました。専任の教員、専門研究員、専任事務体制を有する組織となっています。

さて、1985年より上昇傾向にあった子どもの貧困率が、2012年に16.3%を記録し、実に6人に一人の子どもが貧困という統計結果が社会に大きな衝撃を与え、子どもの貧困対策に向けて『子どもの貧困対策の推進に関する法律(平成25年法律第64号)』が制定されました。「貧困」は、単に経済的な生活面での困窮、すなわち低所得を意味しているのではありません。必要な情報へのアクセスの困難や社会的支援の不足、生活や学習における文化的な貧しさなど、社会資源とライフチャンスの乏しさも含んでいます。日本の未来を背負う若者・子どもたちのうち相当数の人々が、成長や発達に欠かせない社会資源、教育機会やライフチャンスに恵まれていないのだとすれば、日本社会にとって由々しい事態であると言わざるを得ません。

また、2016年から2030年までの世界の開発目標である持続可能な開発目標(SDGs)では、子どもへの投資が社会的課題であるだけでなく、社会・経済・環境全ての側面において持続可能な開発(Sustainable Development: SD)の達成に貢献し、子どもと社会にとって効果的であると認識されています。しかし、日本は、教育や若者・子どもへの投資とその対策において、OECDの中でもかなり後れを取っています。

そこで、東京学芸大学では本センターを設置し、社会・経済的に困難な環境にある子どもたちを、「護る」とともに「確かな力を育む」ために、実践的教育課題の研究を担う附属学校と協働して、教員養成系大学・教育系学部における効果の高い支援の取組のモデル開発を行うとともに、教員・教育支援者養成の質を高めるプロジェクトに取り組んでいます。

本センターが核となり、本学と附属学校が持つ社会資源を投入し、地域の学校、行政等と連携して、社会・経済的に困難な環境にある子どもたちの教育支援と生活支援に取り組みを開始し、2年目を迎えました。本年度は、プロジェクトの目標達成に向けた取り組みの基盤を確立し、成果を目に見える形で示していく時期にあります。具体的には、小金井市、足立区の連携校を中心にした教育・学習支援を展開すると同時に、放課後児童支援、附属学校を中心とした教材開発、読み書き支援などを行っていきます。

これらの支援活動を通して、学校を核とする子ども支援の学校型支援プラットホームと、様々な地域資源が連携したネットワーク型の地域型支援プラットホームを構築し、両者を結びつける試みから、東京学芸大学、附属学校、連携地域・学校が協働して社会に先導的なモデルを発信していきたいと考えています。

そのためには、多くの方々との連携を通して事業を進めることが最も重要です。本センターへの広く深い支援と連携をお願いすることで、ご挨拶に代えさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

東京学芸大学パッケージ型支援プロジェクト
児童・生徒支援連携センター長
(東京学芸大学教授)
朝倉 隆司

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